機械式時計の中でも高い人気を誇るIWCマーク20は、デザイン性と精度の高さが魅力です。
IWCマーク20の精度について、日差の許容範囲や実際の誤差、故障の兆候について知りたい方は多いのでしょうか。
この記事では、IWCマーク20の精度や寿命、口コミをもとに、故障のサインや修理の目安、修理費用の相場を解説します。
また、オーバーホールは何年ごとに行うべきか、保証制度の内容も紹介し、安心して使うための基本情報をまとめています。
- この記事でわかること
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- IWCマーク20の実際の日差と精度の水準
- 精度が乱れる原因と故障の見分け方
- オーバーホールや修理の頻度と費用
- 保証制度や口コミによる信頼性の評価
IWCマーク20の精度はどれくらいか?
- 日差の基準とIWCの実力
- IWCマーク20の磁気耐性と精度
- 精度が狂う主な原因とは?
- 精度がどのくらいズレたら故障のサイン?
- 機械式時計で世界一の精度はどこ?
日差の基準とIWCの実力

機械式時計の精度を語るうえで避けて通れないのが「日差」です。
日差とは、1日(24時間)でどの程度の時間誤差が生じるかを示す指標です。
一般的に、高級機械式時計の目安としては、日差±5〜10秒が許容範囲とされています。
IWCマーク20に搭載されているのは、自社製キャリバー32111です。
このムーブメントは、クロノメーターの認定基準にも匹敵する「日差-4〜+6秒」とされており、高精度を実現しています。
また、パワーリザーブも最大120時間と長く、稼働時間が長いほど精度も安定しやすいという特徴があります。
つまり、IWCマーク20の精度は、機械式時計として十分に高水準であり、日常使いにおいても時間のズレが気になる場面は少ないといえます。
日差の安定性と自社ムーブメントの完成度の高さは、IWCの技術力の証明ともいえるでしょう。
IWCはパイロットのための時計を軍用レベルで開発✈️視認性・耐久性・精度が全て揃った男のロマン、ミリタリー好きにも人気#IWC #パイロットウォッチ #高級時計 #男の道具
— プレステージウォッチーズ (@prestigewatchs) April 20, 2025
IWCマーク20の磁気耐性と精度

現代の生活環境では、スマートフォンやパソコン、電磁調理器など多くの電子機器から発せられる磁気が身近に存在しています。
機械式時計にとって磁気は大敵であり、磁気を受けると精度に大きな影響を及ぼすことがあります。
IWCマーク20では、この問題に対処するために軟鉄製インナーケースを採用しています。
この構造により、ムーブメント全体が磁気から保護され、磁気の影響による精度の乱れを最小限に抑えることができます。
実際、一般的な時計が磁気を受けると日差が数十秒から数分に及ぶケースもある中で、IWCマーク20は磁気耐性に優れ、精度の安定性を高く維持できる点が評価されています。
こうした設計は、もともとパイロットウォッチとして設計された背景にも由来しており、航空機内の強い磁気環境でも正確な時刻を保てるよう工夫されています。
日常生活においても、磁気の多い環境下で安心して使えるという点は、大きなメリットといえるでしょう。
これぞ職人技。機械式時計の組み立て作業。
— 瀧波 一誠 | 地理と珈琲を愛する人 (@mokosamurai777) March 8, 2025
スイスで1868年に創業された時計ブランド、IWC(International Watch Company)。
質実剛健・高精度・高耐久をモットーに時計を製造し、スイス政府公認の「時計職人」養成機関でもあります。
その職人による組み立ての様子です。pic.twitter.com/Ks05SfzlS1
精度が狂う主な原因とは?

IWCマーク20のように高精度を誇る機械式時計であっても、使い方や環境によっては精度が乱れることがあります。
精度の狂いには、いくつかの代表的な原因が存在します。
磁気帯び
まず大きな要因の一つが磁気帯びです。
先述の通り、電子機器から発生する磁気がムーブメントに干渉すると、ヒゲゼンマイなどが正常に動かなくなり、時計が進みすぎたり遅れたりする現象が起きます。
衝撃
次に考えられるのが衝撃です。
落下や強い振動を受けた場合、内部の繊細な部品がずれたり破損したりすることで精度に影響を与えることがあります。特に外見に異常が見られなくても、内部にダメージがあることもあります。

潤滑油の劣化
また、潤滑油の劣化も見逃せません。
ムーブメント内には摩擦を抑えるための専用オイルが使われていますが、使用年数とともに劣化・乾燥していきます。このオイル切れが生じると、歯車の動きが悪くなり、結果として精度が狂いやすくなります。
保管状態
最後に、保管状態も精度に影響します。
長期間使わずに放置しているとムーブメント内の油が固まりやすくなり、再び使い始めたときに誤差が生じやすくなることがあります。
これらの要因を避けるためには、定期的なメンテナンスと正しい取り扱いが重要です。
精度がどのくらいズレたら故障のサイン?

機械式時計は構造上、多少の誤差が日々生じるのが一般的です。
IWCマーク20の場合、日差-4〜+6秒が正常範囲とされており、この範囲内のズレであれば特に心配する必要はありません。
しかし、日差が1日に±30秒以上ずれている場合は注意が必要です。
これを超える精度の乱れが継続していると、ムーブメント内部の不具合や潤滑不良などが原因である可能性が高くなります。
また、進みと遅れが日によって大きく変動するような場合も、内部に何らかのトラブルが発生している兆候です。
精度の乱れが発生した際に確認したいのが、「磁気帯び」の有無や「強い衝撃を受けた覚えがあるか」、「最後のオーバーホールから何年経過しているか」といった点です。
これらに心当たりがある場合は、修理や点検を検討すべきタイミングかもしれません。
結論として、IWCマーク20の精度が日差±30秒以上に達した場合や不規則な誤差が頻発する場合は、故障のサインと考え、時計修理店またはメーカーでの診断を受けることをおすすめします。
機械式時計で世界一の精度はどこ?

機械式時計はその構造上、クォーツ時計と比べて誤差が大きくなりがちです。
しかし、技術の進化により、一部のブランドは驚異的な精度を実現しています。
中でも注目されているのがオメガのスピードマスター スーパーレーシングです。
このモデルは、スイス連邦計量・認定局(METAS)の認定を受け、日差0~+2秒という極めて高い精度を誇ります。これはCOSC(スイス公式クロノメーター検定協会)の基準(日差-4~+6秒)を大きく上回る水準であり、機械式時計としては世界最高レベルとされています。

この精度を支えているのが、オメガが独自開発した「スピレートシステム」と呼ばれる革新的な脱進機構です。
新設計のシリコン製ひげぜんまいと、精密な調整機構を備えたテンプが組み合わされることで、ここまでの高精度を可能にしています。
一方で、IWCのマーク20もCOSC相当の精度を持ち、実用性では非常に信頼性の高いモデルです。
しかし、絶対的な精度を追求するのであれば、オメガのような最新技術を採用したモデルが一歩抜きん出ていると言えるでしょう。
IWCマーク20の精度とメンテナンス
- IWCのオーバーホールは何年ごと?
- IWCのオーバーホール費用の相場
- 修理の目安と判断ポイント
- 修理費用はいくらかかる?
- 保証制度の内容と注意点
- IWCは故障が多いって本当?
- 購入者の口コミから見る精度の評価
IWCのオーバーホールは何年ごと?

機械式時計を長く快適に使い続けるためには、定期的なオーバーホールが不可欠です。
IWCでは、おおよそ5〜7年ごとのオーバーホールを推奨しています。
この期間は、使用頻度や保管環境によっても前後するため、目安として考えるのがよいでしょう。
オーバーホールでは、時計の分解、洗浄、部品の点検・交換、再組立て、注油、調整といった工程が行われ、ムーブメントの動作を新品同様に近づけることが目的です。
潤滑油の劣化や、部品の摩耗によって精度が落ちてきた場合も、オーバーホールによって改善されます。
また、IWCのような高級時計では、オーバーホールによるメンテナンス履歴が今後の価値や下取りにも影響を与えることがあります。
メーカーでのオーバーホールであれば正規の記録が残るため、資産価値を維持するうえでも有効です。
以上のことから、特に異常が見られない場合でも7年以内には一度のオーバーホールを受けるのが理想です。
時計を良好な状態で維持するためにも、計画的なメンテナンスを心がけるようにしましょう。
IWCのオーバーホール費用の相場

IWCのオーバーホールにかかる費用は、モデルやムーブメントの複雑さ、修理の有無によって異なりますが、基本的な自動巻きモデルの場合で約6万円~10万円前後が一般的な相場です。
クロノグラフなど複雑な機構を持つモデルでは、それ以上の費用がかかることもあります。
正規メーカーに依頼する場合
正規メーカーに依頼した場合、部品交換や追加修理が必要になることもあり、その場合は総額で10万円~15万円以上に達することも珍しくありません。
ただし、正規のメンテナンスであれば、高精度な検査機器や純正パーツを使用し、アフターサービスの保証も付くため、安心感があります。
時計修理店に依頼する場合
一方、街の時計修理専門店では、価格がやや抑えられた5万円前後で対応してくれるところもあります。
技術力の高い店舗であれば品質に大きな差はないケースもありますが、保証内容や使用するパーツの品質については事前に確認しておくことが重要です。
結論として、費用と安心感を天秤にかけて、目的に合った業者を選ぶことが、納得のいくオーバーホールにつながります。
修理の目安と判断ポイント

IWCマーク20を含む機械式時計は、精密な構造ゆえに定期的なメンテナンスだけでなく、必要に応じた修理も重要です。
修理が必要かどうかを判断する際の目安には、いくつかの明確なポイントがあります。
日差が許容範囲を超える
まず挙げられるのが、日差の異常です。
通常の許容範囲(日差-4〜+6秒)を大幅に超えて、±30秒以上のズレが連日続くようであれば、ムーブメントに何らかの不調がある可能性があります。
針の動きに異常がある
次に、針の動きに異常がある場合も注意が必要です。
秒針の動きが急に止まったり、飛んだりする現象は、部品の摩耗や潤滑油の劣化が進んでいる兆候です。
リューズやカレンダー機能の操作に異常がある
さらに、リューズやカレンダー機能の操作時に引っかかりがある場合も、内部部品の不具合が疑われます。
こうした症状を無視して使用を続けると、さらに故障が進行する恐れがあります。
水が内部に入った場合
また、水や湿気が内部に侵入した形跡が見られる場合(曇りや結露など)は、即座に修理店に持ち込む必要があります。
放置するとムーブメントがサビてしまい、大規模な修理が必要になることもあります。
これらの症状が見られた場合は、早めに専門業者で点検・修理を行うことで、長期的に見て時計を良好な状態で保つことが可能になります。
修理費用はいくらかかる?

IWCマーク20の修理費用は、症状の内容や修理内容の範囲によって大きく異なります。
精度調整や簡易な部品交換
もっとも基本的な修理としては、精度の調整や簡易的な部品の交換があり、この場合は1万円〜3万円前後で対応できることが多いです。
内部機能の修理や部品交換
一方で、内部ムーブメントの主要部品の交換やカレンダー機構の修理などが必要な場合、5万円〜10万円以上の費用がかかることもあります。
また、故障が広範囲に及ぶ場合や、長期間メンテナンスされていない時計では、オーバーホールを含む修理で10万円〜15万円程度になるケースも珍しくありません。
正規メーカーに修理を依頼する場合、費用はやや高くなりますが、純正パーツの使用や保証付きの対応が受けられるため、安心感があります。
一方、街の時計修理店では費用を抑えられる反面、パーツの入手状況や修理保証の有無を事前に確認することが必要です。
修理を依頼する際には、「どの部分が不調なのか」「どこまで修理が必要なのか」を明確にすることで、無駄な出費を避けられます。
可能であれば、見積もりを複数店舗から取ることも検討すると良いでしょう。
保証制度の内容と注意点

IWCマーク20には、購入時にメーカー保証が付帯します。
購入後の保証
基本保証期間は2年間ですが、IWC公式サイトで登録することで最大8年間まで延長が可能です。
この保証制度は、正規販売店での購入者を対象としており、正しい登録と管理が行われていることが前提となります。
保証内容としては、通常使用によるムーブメントの不具合や部品の不良に対して無償で修理や交換が行われるというものです。
ただし、外部からの強い衝撃、水没、磁気帯びなどによる故障、また非正規店でのメンテナンス・修理を受けた場合は保証対象外となるため注意が必要です。
正規修理後の保証
また、オーバーホールや修理を正規サービスセンターで受けた場合には、作業に対する修理保証(通常は1年間)が付与されます。
これは、修理箇所に再度不具合が生じた場合に無償で対応してもらえるため、安心してメンテナンスを依頼できるメリットとなります。
保証制度を活用するには、保証書や購入証明書の保管が必須です。これらがないと、保証が受けられないことがあるため、紛失には十分注意しましょう。
IWCは故障が多いって本当?

「IWCは故障が多い」といった声を耳にすることがありますが、これは誤解や一部の事例が強調されている可能性があります。
実際、IWCはスイスの高級時計ブランドの中でも信頼性の高いメーカーであり、その製品は厳格な品質管理のもとに製造されています。
ただし、IWCを含む機械式時計全般に共通する特徴として、定期的なメンテナンスを怠ると不具合が起きやすいという点があります。
潤滑油の劣化や、部品の摩耗・磁気帯びなどが原因で精度が乱れたり、機能が停止することは、どのブランドでも発生しうる問題です。
また、IWCのような高性能なムーブメントは構造が複雑なぶん、外部からの衝撃や操作ミスの影響を受けやすい傾向があります。
とくにカレンダー機能など可動部の多いモデルでは、操作禁止時間帯の設定を無視した使い方によって故障が起きるケースも報告されています。

結論として、「IWCが特別に故障が多い」というわけではなく、適切な取り扱いと定期メンテナンスをしていれば長く使える信頼性の高い時計であるといえるでしょう。
購入者の口コミから見る精度の評価

IWCマーク20の精度について、実際の購入者の口コミを見ると、総じて高い評価を受けていることが分かります。
とくに多く見られるのが、「日差数秒以内で安定している」「長時間着けなくても再稼働後の精度が非常に良い」といったコメントです。
これは、自社製キャリバー32111の安定した構造と、最大120時間のロングパワーリザーブによる影響が大きいと考えられます。
日常生活の中で着脱がある使い方でも、再装着後すぐに正確な時刻に戻る点は、多くのユーザーから高く評価されています。
一方で、「最初は少し進み気味だったが、数週間で安定した」という声もあり、これは機械式時計特有の「慣らし運転」期間に起こる現象です。
使い始めの数週間で部品同士がなじんでくることで、精度がより安定してくる傾向があります。
また、精度の他にも「磁気に強い」「温度変化による誤差が少ない」といった実用面での信頼性を挙げるユーザーも多く、IWCマーク20は日常使いでも高精度を維持できるモデルとして、多くの満足を得ているようです。
IWCマーク20の精度に関するポイント総まとめ
- 自社製キャリバー32111を搭載し高精度を実現
- 日差は-4〜+6秒でクロノメーター基準相当
- 最大120時間のパワーリザーブを誇る
- 軟鉄製インナーケースで磁気に強い構造
- 電子機器の影響を受けにくく日常使用に適している
- 精度低下の原因は磁気帯び・衝撃・油劣化が主
- 長期間使用による油切れが精度の乱れを招く
- 精度が日差±30秒を超えると故障の可能性がある
- 精度異常時は修理やオーバーホールの検討が必要
- 世界最高精度はオメガのスピードマスターで日差0〜+2秒
- IWCの推奨オーバーホール周期は5〜7年程度
- オーバーホール費用は約6万〜15万円が相場
- 保証登録で最大8年までメーカー保証が延長可能
- 「IWCは故障が多い」という評判は一部の誤解に過ぎない
- 口コミでは日差数秒以内で安定しているとの声が多い